イーロン・マスクが創造する企業ユーフォーリア
2017年7月28日(金)、カリフォルニア フリーモントにあるテスラ自動車の工場敷地で行われたTESLA MODEL 3 納車式の動画が興味深かったのでアップしました。
最初の50台のうち20台が試験車両として除かれ、残りの30台が初納車。新規オーナーはテスラで働く従業員が基本とのこと。
式典で壇上に立つイーロン・マスクはまるでロック・スターのようです。
聴衆の喜びに溢れた騒ぎぶりは、かつてマック・ワールドでS.ジョッブスと信者たちが共有したユーフォリアに近いものを感じます。
「一番のチャレンジは、現在抱えている多数の予約オーダーに応えるべく、新型のモデル3を迅速に大量に製造する事。これからが大変だよ。地獄へようこそ!(笑)。でもみんなはもうそれのベテランだよね、いいかい、地獄(過酷な状況?)を通り抜けなきゃいけない時の方法はひとつ。ただ突き進むのみ、だよ」
と壇上のEMが笑いながら言うと、なんと従業員たちは歓喜の声を挙げます。かつてS.ジョッブス時代のアップルを感じる部分。
(全ての企業経営者が夢見るであろう熱烈な企業ファシズムが浸透しているかのよう)。
翌 29日付け(現地時間)ニューヨーク・タイムズ紙でもこれを報道してますが、「多大なプレ・オーダーに応えることができるのか?それがテスラに課された課題」と批判的なトーン。
https://www.nytimes.com/…/bus…/tesla-model-3-elon-musk.html…
式典で壇上に立つEMはそれらの問題へのソリューションとして;
1、今年の暮れまでにモデル3を5,000台/week生産体制に持っていく。
2、ネヴァダに設立した世界最大のリチュウム電池工場のギガ・ファクトリー。
(この工場ひとつで、その他の全世界のリチュウム電池生産量を凌駕。ギガ・ファクトリーを紹介したwired誌の紹介記事)
3、「Super Charger」(急速充電スタンド)の設置数を2018年度中に現在の3倍に増設。世界で乗り回せる車となる。
「Super Chargerは単に急速充電スタンド。充電時間を気にしなければ今だって電源があれば世界のどこでも乗り回せるんだ(EM)」
また、リスクとして彼が言及したのは;「モデル3では1万にも及ぶ専用部品が用いられている。部品の供給元は2/3が北米、残りの1/3がその他海外から。供給される部品の中で一番納期の遅れるものに生産のスピードが制限されてしまう。現在はこの部分の改善に最大限の努力を集約している」と。
EMの説明によると、
「モデル3には8台のカメラ、12台の超音波ソナー、4台のレーダー、10テラバイトを超える性能のコンピューターが搭載されている。ハードウェア面は来たるべく全自動運転時代に完全に対応している。現時点で生産されている他のテスラ車種も同様。これは意外と知られていない事実なんだよ」と言ってます。
最後にEMは、「同価格帯クラスで、他のどの車種もこれ以上の性能と安全性を有する車はない」と自信たっぷりに言います。
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テスラ・モデル3の現地価格とスペック
グレードは2タイプ。 スタンダードが35,000ドル、ロング・レンジは44,000ドル。
以下、2タイプの性能比較;
Standard: 1回の充電での航続距離 220mile≒354km、0-60マイル加速 5.6秒、最高時速 130mph≒時速210キロ。
Long Range: (同上順)310mile≒500km、5.1秒、140mph≒時速225キロ