イーロン・マスク「AIの進歩は大量失業時代の到来。ベーシック・インカムの導入が必要となる」

「AIの進歩は大量失業時代の到来を意味する。ある種のユニバーサル・ベーシック・インカム制度の導入が不可避となるだろう。

「でも、産業経済活動から不要とされた人々が大量に発生する時代に、人は生きる意味をどこに見出せば良いのか?」
         
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「脳とコンピューターの融合に解決のヒントがある」−EM

 

 

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3回連続でEMのインタビューですが、大変興味深いのでまたひとつ。

2017年の2月にドバイで開催された湾岸諸国の首長や政府関係者向けと思われるWorld Government Summitというカンフェレンスでの発言から。

モデレーターが、「この場にいる各国政府関係者へ、未来に向けたアドバイスを3つ挙げてください」という問への答え。

最初の2つに関しては、すでに広く認識されている事実を復唱しているようにEMは話します;

1、AI開発の管理。人々に危害を与えないように政府が監視すること。

2、20~30年で自動運転が大勢を占める世の中になる。現在の3倍の電気が必要となる。それだけの電気が供給できる体制の準備。

と、ここまでは一般的に理解されている部分。しかし、

3、来たるべく大量失業にどう対応するのか? 答えはユニバーサル・ベーシック・インカム制度の導入。他に選択肢はないと思う。

人間にできて機械やロボットにできない仕事はほとんど無くなる。僕はそれを望んでいる訳ではない。ただ、そういう世界の到来が多分避けられない、と考えている。

AIによる生産物は大変優れたクオリティーのものがふんだんに供給されるようになる。値段も飛躍的に下がる(AI/ロボットに課税し、それをユニバーサル・ベーシック・インカムの財源にする。それでも企業は十分な利益を得られる、としています)。

しかし一番難しいのは、その状況で人々は生きる意味をどこに見出すのか?という部分です。多くの場合、人は職業に自身の生きる意味を見出している。この部分への対応を考えなくてはいけない。私たちが直面する大変難しい問題となるでしょう。

我々が望むような、希望の持てる世界を創って行くにはどうすれば良いのか?

 

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ここでEMは話題を「脳とコンピューターの融合」へ振ります。

1、ちょっとSFみたいな話になるけど、人はすでに第三レイヤーの脳を獲得している。それは一種のデジタル・サイボーグともいえる。
大脳辺縁系(感情や動物的本能を司る部分)、大脳皮質(思考や計画)、そして第3階層としてデジタル・レイヤーの存在。

彼が例として揚げたのが; 「グーグルで瞬時に何かを調べたり、地球の裏側の人と話をしたり、死んだあともSNSやEメールは残り、あなたの痕跡(ghost)は生き続ける」

2、我々はコンピューターをキーボード、またはタッチ・パッドでコントロールしているが、現状のスピードは非常に遅いもの。普通で10bit/sec、大目にみても100bit/secが限界だろう。

でもコンピューターは兆bit/sec単位でコミュニケートする。

生体(脳)とコンピューターとのインターフェースの伝達帯域幅が飛躍的にアップすることで、コンピュータと人間の共生や、コントロールの問題、無用性の問題、それらへの解決の糸口が見つかると思います。

(ちょっと「お気軽」な感じのモデレーター氏、言葉を失って、、、「あーむ」と唸り声)

EM: 多分に深遠な内容で恐縮ですけど、、、。

 

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最後の部分をどう捉えれば良いのか、、、、。

本来ならこのお気楽モデレーター氏は「コントロールとはどういう意味ですか?」と訊くべきだと思うのですが、意図してなのか単に興味が無いのか話の方向を変えてしまいました。残念。

コントロールと無用性への解決策、という言葉から想像されるのは、キャメロン・クロウの映画「Vanilla Sky」 のような人工冬眠カプセルで眠らせて、希望通りの人生を生きている夢を見させる会社の話。

そうなると、近未来では失業者はカプセル行き?
大量の人々がカプセルの中で眠りながら、夢の世界で生きる時代の到来。

もし、EMがこの場でほのめかした解決策へのヒントがこんな方面を向いていたのだとしたら、、、ちょっと怖いですね。

(すでにイーロン・マスク氏は2016年に設立されたNeuralinkの創立メンバーのひとりとして名を連ねており、この会社は脳とコンピューターとの融合を研究しているそうです)

 

(抜粋部分は動画の22m35s辺りから)

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