ピーター・ティール;「エンジニアとアーティストが未来を創る」  

Peter Thiel 氏の講演動画より

 

ペイパルの共同創立者でシリコンバレーを代表する投資家のピーター・ティール氏の講演の内容がYouTubeの中で数多く紹介されています。

その中のひとつ、2013年度のSXSWコンフェレンスで行われた講演よりのピックアップ。

この講演は、起業家を目指す人々に向けたものですが、その中で日本の置かれた状況をで解説してる部分が興味を引きました。

縦軸(y軸)の上部に「将来に希望」、下部が「将来を悲観」、横軸(x軸)の左側に「明快な目的を持つ」、右側に「不確実で何をしたら良いかわからない」、という表を掲げています。

 

バブル崩壊以降の日本は(ヨーロッパも)右下の「将来に悲観」&「何をして良いかわからない」ゾーンに位置してます。

現在の中国は左下、「将来に悲観(高い貯蓄率)」&「目的は明快(先行国のコピーによる発展)」ゾーン。

ティール氏は別のレクチャーで「グローバリゼーションとは、先行者の成功事例をコピーして追いつく活動」と定義しています。

同じ表を用いて、彼の本業の一つでもある投資コンサル(ヘッジファンド運営)っぽくポートフォリオ解説をしている部分では、日本の位置する「将来に悲観」&「何をして良いかわからない」ゾーンでは「貯金や保険を買うしかない」。

ひるがえって、左上の「将来に希望」&「目的が明確」ゾーンでは、「工学とアート」が栄え、そこに向かう人々が増える。

Another way to look at the determinate vs. indeterminate question is through the lens of substance vs. process. What people do and what technology they build will depend on how they view the future. From an indeterminate perspective, they won’t know what to build. There’s nothing that specifically looks promising; it’s all just a distribution. So they will think less substantively and more procedurally. You want to have the right process for navigating the distribution. This tracks the HP board debate we talked about earlier: it’s Perkins’ old-school substance (lets talk tech and engineering) versus Dunn’s process. If everything is indeterminate, it’s presumptuous to think that the board could think or know anything about the future. How each quadrant shakes out in practice looks something like this: Optimistic, determinate: Engineering and art. Very specific engagements. Optimistic, indeterminate: Law and finance. Law is a process of applying specific rules, not a certain substantive result. You assume that by following the process you end up making things better. And finance is pretty thoroughly statistical. Pessimistic, indeterminate: Insurance. You can’t make money but you can protect against expected losses. Pessimistic, determinate: Wartime rationing.
H. Substance vs. Process

 

ここでのシール氏の論旨は、起業の目的を金儲けだけにとらわれるのではなく、この「工学技術とアート」のゾーンの繁栄を目的とすることこそが、より良い世界を築く、と語っています。

表で言い換えれば、「未来に希望を持ち、人々が明快な目的意識を持てる社会」の実現ですね。

外見は旧ナチ親衛隊将校のようでちょっと怖そうだけど、実はストレートで熱いハートの持ち主なのが伝わってきます。

ちょっと吃りながらの独特な彼の話し方は声の質も良いし、論旨が非常に明晰なので聞いていてスカッと気持ち良いですね。

 

https://youtu.be/iZM_JmZdqCw?t=10m44s

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