Space X が打ち上げた衛星は一度に10基!
日本時間で2017年10月10日の午前、国産ロケットH2Aが衛星打ち上げに成功しましたが(おめでとうございます!)、現地時間でその前日の9日、カリフォルニアのバンデンバーグ基地から民間企業であるSpace Xはイリジュウム3の打ち上げに成功しており、一番コストのかかる1段目のブースター・ロケット部分は打ち上げから7分少々後に無事に帰還しています。
イリジュウムは今回1回の打ち上げで10個(!)の衛星を計画された軌道に配置したようです。
10基の衛星を積み込んだ2段目ロケットは軌道を回りながら100秒ごとに1基の衛星を放出し、そこから衛星は若干の高度を上げて周回軌道につきます。10基すべての衛星を配置する作業は15分で完了します。
今回で3回目、2018年中頃までにあと数回の打ち上げてを行い、バックアップも含め全部で81基の衛星を軌道に乗せる予定。そのうち75基がSpace Xによって打ち上げられるそうです。
IRIDIUM社 Matt Desch氏によるイリジュウム・システム解説部分(14’00″より)
今回の成功でトータル30基が軌道に配置さた事になり、81基の配置が全て完了すれば地球上どこでも常時GPS、電話、その他コミュニケーションが可能となるそうです。
特筆すべきは、この衛星システムは常時、地球表面上のあらゆる部分をカバーするので、どこでもコミュニケーションが可能となる事。
例えば、極寒の吹雪の中、わざわざテントを出て小高い丘に上がって衛星を捉えるような行為は一切不要になる、と動画でも解説しています。
打ち上げの瞬間
プレスキット;
http://www.spacex.com/sit…/spacex/files/iridium3presskit.pdf
打上げの動画とイリジュウムのPR動画;
http://www.spacex.com/webcast
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以下、私感ですが;
1段目のブースターロケット部の回収技術を持たない日本のロケットではコスト面で商業衛星打上げビジネス市場で戦うのは厳しいのでは?
これらの比較はおろか、日本のマスメディアはSpace XもTeslaもSolar CityもBoring Co.も何も詳細を伝えていないように思います。
でも、現代の「モノづくり」というのはこういうものを指すのではないでしょうか?
彼らは盛んに「モノづくり」という言葉を一種のバズワードのように使いますが、どうもそこでイメージされている世界観には、下町の鉄工所で年季の入ったガンコ職人が旋盤回して手先の器用さと体に染み込んだ感覚や技術を発揮して神業のような仕事ぶりを実現して欧米人の鼻を明かす、なんて想いが限りなく漂っているように思えてしまうのが残念です。